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2017.02.26

じゃあね、義父。

たいていのことは、平気。
だけど、
火葬炉の扉が開いて、奥から聞こえてくるゴーっという音。
それを、平気で聞くことはどうしてもできなかった。

義父と暮らし始めて、私が初めて風邪をひいたとき、
義父は鶏肉入りのもち米のお粥を作ってくれた。
義父は厳しくて意地悪で、大嫌いだった。

義父は梅が好きで、
狭い庭に6本もの梅の木を植えていて、
私は義父は嫌いだけど、その庭が大好きだった。
庭の隅に私はこっそりクリスマスローズを育てていた。
庭師が入った時、私のクリスマスローズに手をつけないように、
義父は棒をたてて、抜かないでほしいとメモを書いてくれていた。

義父のことはわからない。
思い出していると、うっかり好きになってしまいそうだから、
今日は、ここまで。